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有田焼

鉛毒につきまして

有田焼のうつわ/鉛毒につきまして。

中国産の土鍋から鉛が溶け出し、かなりの問題になっています。

以前より陶磁器の鉛毒につきまして時折メールでお問い合わせがありましたが、ページで触れておきます。
尚、元々七五郎は小売店です。窯元、産地の卸問屋ほどの知識はありません。
いままでの経験からお知らせできることから書いてまいります。

基本的には上絵の絵付けと釉薬の焼成温度の問題です。

国産の食器に使われる顔料はかなり厳しい規制があるようです。(おそらく法律で定められているはずです)
大手の洋食器のメーカーの製品は、顔料そのものが害のないものになっています。
鉛毒で苦しんだ九谷焼も現在は無鉛の顔料になっています
九谷焼の上絵は綺麗ですが、決して高い温度での焼成ではありません。そのため鉛毒では随分苦しみ、
研究を重ね現在は無鉛になっています。
もともと鉛は価格が安く、焼成温度が低くても発色が綺麗といわれています。
つまり低コストで綺麗に色が出ることから広く使われたようです。
焼成温度が低いということはとりもなおさずコストのカットということです。
作家が敢えて色にこだわり挑戦するというレベルとははるかに離れた問題で、
コストだけを考えた自分勝手な行為です。鉛の毒が認識されていない時代は止むを得ませんが、現在では常識です。
そして、高温で焼成されたものは問題ありません。
当然ですが釉薬の下に絵付けを施す染付は鉛毒とは全く関係がありません。

問題になるのは釉薬の上に絵付けを施す、色絵、金彩などです。

一つの方法として、食器の内側(食べ物が触れる部分)が色絵で彩色されていない食器をお選び下さい。
ただ、そこまで気にせず、内側に色絵が施されていれば、酢の物を入れなければ良いのですが・・・・。
染付の絵付け、柄のない無地なら全く問題ありません。

窯から出荷の折に鉛毒検査がなされています。

法律に定められた方法により検査があり、これをクリアしない限り出荷は出来ません。
さらに、デパート等の店頭で抜き打ちでサンプルの抜き取り検査があり、問題があれば、即、店頭から撤去されます。
七五郎の記憶ですが、中国の窯元の中華用の食器が検査でひっかかり、撤去されたことが記憶にあります。
当然ですが、撤去された製品を製造した窯元には、その窯元の全商品に対して疑惑の目が向けられるわけですから、
窯元は死活問題です。従いまして、国内の窯元の場合は相当鉛毒については高い意識をもっています。
検査の方法、検査の実施、検査の結果等は地元の保健所の管轄になり、その資料も保管されているはずです。
有田でも大手の問屋にこの問題について聞いてみましたが、「何を今更」という雰囲気で、問題になることがおかしい、
中国産の鍋の問題で、長年研究を重ねてきた国内の焼き物をいっしょにされるのは、
迷惑以外のなにものでもないとのことです。
最後は「鉛毒などなにも考えてない中国製の問題でしょう」と切り捨てていました。
さらに「安く造ればいいというものではないでしょう」とぼやいておりました。

三重県四日市の窯元が鉛毒検査を実施

中国製の土鍋の釉薬から有害物質の鉛などが検出された問題に対応し、四日市の土鍋の窯元が鉛毒検査を実施。
「万古焼振興協同組合連合会」(三重県四日市市)加盟のメーカーが万古焼の土鍋の釉薬を調査し、
有害な物質が流出しないことを確認しました。
「中国産と国産の土鍋の違いをアピールするため、安全宣言することを決めた」とのことです。

釉薬に使われる鉛について

日本の食器でも釉薬に鉛、カドニュウムが使われている場合もあります。鉛釉です。
充分な高温で焼成すれば、有毒物質が溶け出すことはないのですが、温度が低いといわゆる「生焼け」状態になり、
シッカリ定着せず溶け出すようです。焼成温度が問題なのでしょう。
およそ有田の磁器ではほとんど問題にならないレベルです。
(有田焼の場合、施釉してからの焼成温度は1,300度、上絵は800度です)
食品衛生法により鉛の溶出規制値が設けられており、現在生産されている食器は安心してお使い頂けます。
鉛毒を強く意識されるのであれば、この際、上絵の食器は避けられた方が賢明です。染付なら問題なしです。
そこまで意識しないけれでも、何となく不安という方は、食器の内側に上絵で絵付けされた食器を避けて下さい。

漆につきまして。

「箸と汁椀の購入を考えていますが、これは全て国産でしょうか?」というお問い合わせを頂きます。
国産ということをもう少し掘り下げて考えてみました。
確かに製造元は国内です。しかし「素材そのものも国産ですか?」と掘り下げてみますと、
これは輸入によってまかなわれたものです。木も漆も外国から調達したものです。
その材料を使って国内で造りました。ということになります。
「国内で生産したのだから、国産です」といっても間違いはないのですが、やはり100%国産と言い切るには無理があります。
箸にしろ汁椀にしろ、国産の木を使い、国産の漆を使えば1客1万円は覚悟すべしという感じですが、
そこまで言ってしまえば実も蓋もないですし・・・・・・。
最近のお客様の素材に対するこだわりは理解できるますが、
あまりに神経質になるのも考え物ですね。

最近、鉛毒に関するメールを頂きました。鉛毒2にその内容を掲載しています。参考にお読み頂ければ幸いです。
内容につきましてはかなり専門的な記述もあり、七五郎の知識の範囲では判断できません。あくまでも紹介とご理解下さい。

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